落語用語の基礎知識
落語は古い言葉、今は使われなくなった言葉がたくさん出てきます。それを独断と偏見、
米二流解釈で解説してみました。ですから決して世間で通用するものではありません。
参考文献

 牧村史陽編「大阪ことば事典」講談社学術文庫
 前田勇編「上方語源辞典」東京堂出版
 井之口有一・堀井令以知編「京ことば辞典」東京堂出版

あ〜お / か〜こ / さ〜そ / た〜と /  な〜の /  は〜ほ /  ま〜も /  や〜ん / 
まめだ
☆ 「花四天(ハナヨテン)」‥‥元々、四天というのは裾の脇が左右に割れている(スリット)着物のこと。花模様の派手な四天を着て赤い鉢巻や襷を着け、立ち回りに登場してトンボを切ったりする捕り手の役。

☆ 「三津寺(ミッテラ)」……ミナミのど真ん中で御堂筋に面し、交差する東西の道、三津寺筋の名の元になった寺である。天平16年(744)聖武天皇の勅命により、行基が創建したとされている。本尊は十一面観世音でこれは御堂筋拡幅の時、切り倒された楠で彫られたという。大阪大空襲にも焼け残った。

☆ 「白井権八」‥‥歌舞伎の「鈴ケ森」で幡随員長兵衛と出会い、「お若えの、お待ちなせえやし」と呼び止められる。剣の腕を誉められて「雉も鳴かずば……」のセリフになる。モデルになったのは鳥取藩士の平井権八。江戸では「ひ」と「し」がよくゴッチャになるから聞き間違えたらしい。江戸っ子は耳が悪いのかしら?

饅頭こわい
☆ 「虫拳」‥‥拳の一種。親指を蛙、人差し指を蛇、小指をナメクジとし、蛙は蛇に負け、蛇はナメクジに負け、ナメクジは蛙に負ける。

☆ 「本町の曲がり」‥‥怖い場所として落語には時々出てくる。東横堀川の本町橋と農人橋の間でS字型に曲がっているところ。水流の加減で常に渦を巻いていてガタロが住んでいると恐れられた。「商売根問」という噺ではここのガタロを捕まえに行く件がある。現在、この真上を阪神高速道路が通っているが、同じようにS字型に曲がっていて、ちゃんと「本町の曲がり」になっている。高速道路も律儀だ。

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